パッケージプローブ(テストソケット)
検査環境に合わせてカスタマイズしたテストソケット
LSIパッケージ組立後の最終検査で、デバイスの電気特性をテストするための治具です。
携帯電話・モバイル機器をはじめとする通信・ネットワーク用LSIの高機能化に合わせ、高周波・高性能のデバイスに適した ”J-Contacts” と、接触安定性に優れた独自構造のスプリングプローブ”BeeContacts” をご用意しています。
パッケージプローブ(テストソケット)とは
半導体製造における検査には、二つの重要な検査があります。
一つは前工程でウェーハ面に作られた多数の半導体(ダイ、チップという)を切断分離する前に、チップの電気的特性をおこなうウェーハ検査です。もう一つは、後工程で切断したチップを実装組立(パッケージ)した完成後におこなわれる最終検査です。
ICソケットは最終検査で使用され、ウェーハ検査で使用されるプローブカード同様、デバイスとテスタを繋ぐ大事な役目を果たしています。 (下図参照)
ICソケットは、検査目的によって二種類に分類できます。主に耐久性等信頼性を試験検査するバーインソケットと、電気特性を測定検査するテストソケットで、これらを総称して一般的にICソケットと呼び、用途の違いから求められる性能も異なります。
日本マイクロニクスでは、J-Contactsおよび、BeeContactsという2タイプのテストソケットを提供しています。
従来のテストソケットに比べ電気的特性、特に高周波特性やコンタクト性に優れた高性能テストソケットです。
モバイル通信用、車載用、パワーデバイスや電子部品の検査に適しており、全て検査環境に応じたカスタマイズが可能です。
当社のテストソケットは、従来品よりも高度な測定領域にてLSIパッケージをプロービングすることから、他製品との差別化を図るために「パッケージプローブ」と呼んでいます。
J-Contactsとは
J-Contactsは、バーインソケットによくある板バネタイプではなく、独特なリジット(一体型)+エラストマ(シリコンゴム)タイプの接触端子を採用したテストソケットです。そのため、接触端子の長さを従来の板バネより短くすることができ、電気的特性、特に高周波特性に優れたソケットです。
また、接触端子がなめらかな動作をすることから、デバイスとDUTボードを傷つけにくい理想的な接触を実現します。
QFP、SOP、QFN、SONパッケージ等の最終検査工程でご使用いただいております。
板バネとJ-Contactsの比較
J-Contacts上面外観拡大図
BeeContactsとは
BeeContactsとは、当社独自のスプリングプローブタイプの接触端子です。
メンテナンス性と接触安定性に優れており、テストソケット「BeeContacts」や、WLCSP向けのプローブカードに使用しています。
BeeContactsは、パッケージの最終検査工程で、通常使用するスプリングタイプの接触端子におけるコンタクト性悪化の問題を解決することを目的に開発しました。
日本マイクロニクスのBeeContactsは、コンタクト性を改善させるため、従来のスプリング構造(プランジャ、バレル、バネの部品構成)を見直し、新たなバレルレス構造(プランジャ、バネの部品構成)を採用しました。
BeeContactsは、2枚のプランジャが独立可動し、多点コンタクトができるように設計されています。この特長的な構造により、プランジャの鋭い先端形状はマイクロスクラブ動作でセルフクリーニングをおこない、はんだ表面の酸化膜や異物を突き破ることで、優れた接触安定性が得られます。
BeeContactsの板状プランジャは、スプリングプローブの筒状プランジャに比べ、厚付けめっきが可能で放熱性にも優れており、大電流の測定にも適しています。